サラリーマンのための不倫講座

最近、やくざの抗争と同じくらいに、不倫報道が盛り上がっている。

厚生省の統計によると、生涯で一度でも不倫をしたことのある人は男女ともに三割程度であると言う。

不倫なんて、単にどこの穴に入れたかどうかだけじゃないか、そう考える方もいるだろう。
傘立てで取り間違えるくらい、頻繁にあることかもしれない。なぜ批判されなければならないのか。

そこで筆者は、これまでのサラリーマン経験に基づき、危機管理とコンプライアンスの観点から、不倫を解説しようと思う。

まず、不倫を危機管理の面から考えてみよう。

警視庁によると、日本の殺人事件の動機の一位、実に4割が怨恨、多くが痴情のもつれである。さらに、若者が自殺する理由は、やはり仕事より人間関係、特に恋愛なのだ。

危険な情事は、身の回りに殺人や自殺を引き起こす、文字通りの危険行為なのだ。

もちろん、飲酒運転が人身事故につながると知っていながら飲んでしまうドライバーが居るように、不倫が危険と知りながらやってしまう者がいる。当の警官ですら、不倫相手の殺害容疑で逮捕されるくらいだ。
そう、危険を犯してでも目の前にしかけられたバナナに手を伸ばす、おさるのジョージなのだ。


次にコンプライアンスの側面から不倫を考えて見よう。

ばれなければいい、そう考える人もいるだろう。スパイのように顔を使い分け、ただ数時間遊ぶだけなら。

しかし、現実はそうではない。
多くの既婚者が、不倫を始めるとかさむデート代のため家計を使い込み、隠密行動のストレスから言葉なり暴力なり、各々が得意なやり方で家族に暴力をふるってしまうのだ。

順調だった会社が、突然給料を出さなくなり、パワハラモラハラの嵐となる。そうなったらどうするか。

再就職する、もちろんそういう道もあるだろう。35歳以下なら、転職市場にでてキャリアアップを目指すこともできる。

しかし年齢がいきすぎていたり、前の会社の不手際や挫折を引きずっていたら、良い条件での転職は難しい。最悪、日雇い労働だ。





さらにフェミニストの方には申し訳ないが、

現在日本では、多くの女は、専業であれ兼業であれ、子育てや家事を生業として生活の糧を得ている。

女も男同様に稼げればいい、そう思う人もいるだろう。しかし、それを言っていいのはエグゼクティブだけだ。

日本では、男の平均年収430万を稼げる女は上位10%、つまり男でいう1000万プレーヤー。
平均的な人生を送っていたら、よほどの運がない限り、無理なのだ。

さらに離婚となった場合、悲劇は女の財布だけではすまない。

日本では、法律上離婚家庭の多くの子供が、経済力の乏しい母親の元で育てられる。

さらに離婚した父親の8割が養育費を払わない。揉めた相手に金を出したくない気持ちは分からなくはないが、結果的に多くの子供が母子家庭の中で貧困に陥ってしまうのだ。

不倫が不法行為なのは、家族の人生設計を崩してしまうからに他ならない。



欲望に正直なだけで、身近にいるものが不幸になる、こんな文化は理不尽だ。

筆者もそう思う。

不倫を嗜む紳士淑女には、多くの犠牲者のためにも、ぜひ第2のイエス・キリストとなって、裸足で布教の旅に出て、この理不尽な制度と法律を変える偉業をなして欲しい。

張り付けにされるかもしれないが。